臨床と研究の両輪で未来を切り拓く場へ
2025年7月より、岡山大学病院消化器・肝臓内科学教室の医局長を拝命いたしました。
当教室は1913年に第一内科として創設され、100年以上にわたり、地域医療と専門医療の発展に努めてまいりました。現在は、上部消化管、下部消化管、胆膵、肝臓、がん薬物療法の各専門グループを擁し、それぞれが最先端の医療の提供に取り組んでおります。
2023年より着任した大塚基之教授のもと、「強い臨床力」を掲げ、困難な病態に対しても粘り強く対応しながら、診療・研究・教育のいずれにも力を注いでおります。医師・スタッフ一同、患者さま一人ひとりにとって最適な診断と治療を追求し、安全で信頼いただける医療の提供を目指しています。
当教室の大きな特長は、岡山、広島、香川、愛媛、兵庫、山口、鳥取など、中四国を中心とした地域の基幹病院に多くの指導医が在籍し、高度な専門診療と質の高い教育を現場で実践している点にあります。
入局後は、基幹病院および岡山大学病院の指導医と連携し、消化器疾患領域の専門的な知識と技術を得るうえで手厚いサポートをご提供します。
また、臨床経験を積んだ後は、岡山大学病院での先進的な医療とチーム医療を経験しながら、消化器内科領域における専門知識と最先端の診療技術を身につけることができます。当教室には現在50名を超える教室員が在籍し、臨床・研究・教育のいずれにも力を注ぎながら、範を示す存在として、日々の診療や研究に真摯に向き合っています。
岡山大学病院での経験を経て、さらに関連施設にて専門医・指導医として研鑽を積み、将来的には各施設の診療科の運営を担うリーダーとして活躍する道も開かれています。地元での開業(新規・継承)を希望される方への支援体制も整っており、多様なキャリア形成をサポートしています。
私たちは、医師としての基盤である「臨床力」だけでなく、「リサーチ力」の向上も重視しています。大学病院というアカデミックな環境の中で、臨床研究や基礎研究を自ら立案・遂行し、国内外の学会や学術誌で成果を発表する機会を得ることで、医学的探究心と論理的思考を培うことができます。これらは、理想的な指導医となるための大きな財産となり、生涯にわたって活かせる力となるはずです。
また、教室内では臓器横断的な協力体制のもと、トランスレーショナルリサーチや産学官連携にも積極的に取り組んでいます。加えて、厚生労働省やPMDAでの研修、国内外の留学など、個々の志向に応じたキャリアパスも柔軟に実現できる環境が整っています。
若い先生方の柔軟な発想と行動力が、これからの教室を支える原動力です。当教室に少しでも関心をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご相談ください。皆さんとともに、医療の未来を創っていける日を心より楽しみにしております。
医局長
岩室 雅也